248.微妙なバランスの上に成り立つ政界の妙。

目の前の事象だけを見て判断していると、核心を見誤まってしまうことがある。
平昌五輪開会式出席の意向を示した場合、メディアや反日野党を含む親韓勢力はこれを歓迎し、自民党や保守層の多くは反対または批判的であろう…ということを一国の宰相たる安倍総理がわかっていないまま訪韓を決断したということはあり得ない。

開会式不参加を決め込んでいた総理が、1/23に急遽出席の意向を示した瞬間、現にこの流れになっている。

つまり安倍総理は、こうなることを承知の上で今回の決断に踏み切ったということである。

一部には、二階、井上与党両幹事長や竹下亘氏などが働きかけ、参加を促したことが決断した理由…という見方がある。
特に二階幹事長はネット上では痛烈に批判されているが、本人も分かりきっていたはずだ。

二階氏もまた、当然昨日今日の駆け出し議員ではない。今や寝技師と恐れられながらも、党内での影響力は大きく、実力者として君臨している存在である。
総理に訪韓を進言した首謀者という見方をされれば、批判されることくらい読めない筈はない。

総理である自民党総裁と幹事長は、それぞれの立ち位置は違えども、批判されることを承知の上で今回の決断に踏み切ったということである。

ただしこの決断に、二階幹事長が影響を及ぼしたかどうかは安倍総理のみぞ知るところであり、第3者は知る由もないしあくまでも推測の域を出ることはない。

安倍総理と二階幹事長は、それぞれの政治理念に隔たりがあることはよく知られてある。

特に安倍総理は、外交の柱を中国包囲網においているのに対し、二階幹事長は党内切っての親中派であることはつとに有名である。

一方両氏の歩んできた政治経歴も対極的である。

岸信介元総理を祖父に、佐藤栄作元総理を大叔父に持つ政界のサラブレッドである安倍総理に対し、二階氏は石破茂、小池百合子同様、かつて小澤一郎と行動を共にした経歴を持つ自民党出戻り組である。

政治理念も政治経歴も対極的にある両氏であるが、今日安倍政権が長期安定政権として君臨している原動力の一つに、二階幹事長の存在があることは有名である。

先ず昨年春に行われた自民党党規改正によって、安倍総理が今秋行われる総裁選出馬を可能とする、連続総裁任期を3期9年に改正されたが、これを主導したのが二階幹事長である。

また、足かけ3年前の前回総裁選の時は、安保法案の成立に向けて審議されていたが、野党の激しい反対によって国会は紛糾していた最中であった。

この時点で総裁選を行えば、立候補者による全国遊説に時間を奪われ、法案の成立が危ぶまれることが懸念されていたため、党内は安倍無投票再選の方向に傾いた。

空気の読めない野田聖子が、対抗馬として告示当日朝まで推薦人集めに奔走し、顰蹙を買うという一幕もあったが、これが頓挫し無投票再選が実現し、事なきを得た。

この時無投票再選を主導したのが二階氏であった。安保法案成立の影の立役者だったともいえるのである。

そして今年9月の自民党総裁選については、早々と安倍三選支持を打ち出し、石破茂や野田聖子を牽制しているのがまたしても二階氏である。


自民党の二階幹事長は、新年最初の記者会見で、秋の自民党総裁選において、安倍首相の3選を支持する考えを、あらためて表明した。 
自民党の二階幹事長は「『安倍さんのあとは安倍』と、そういうことを言っているので、それ以上、繰り返すことはないでしょう」と述べた。 
二階幹事長は5日午後、政府与党連絡会議後の会見で、2018年秋の自民党総裁選挙で、現職の安倍首相を支持する考えを、あらためて示した。 
二階氏は、安倍首相の外交手腕などを評価していて、幹事長として総裁任期を2期6年から「連続3期9年」に延長することを主導し、安倍首相の次期総裁選への出馬を可能にしていた。

安倍総理とは、政治理念も政治経歴も対極的にある二階幹事長が、安倍長期政権を支える立役者となっているというあたりが、微妙な力学の上に成り立っている政治の妙と言わざるを得ない。

一寸先は闇と謂われる政界は、目の前に現れている事象だけを見ていても、真贋は掴めない。

見えないから闇であり、水面下の駆け引きや戦略が見えた瞬間、闇は闇でなくなるのだ。

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